最近ではビジネス本や自己啓発を漫画化したものが流行っています。文章よりもわかりやすく、気軽に読むことができます。
苫米地さんも例外ではなく、苫米地さんの提唱している方法論を漫画で学ぶことができる本は過去にも発売されています。以前レビューしました。


前作『「洗脳」営業術 (まんが苫米地式01)』はビジネス分野の中でも営業に特化した内容でした。
3冊目(シリーズとしては第2弾)の本書はコグニティブ・サイエンス…つまり認知科学がテーマです。認知科学の方法論を使って、ビジネスで成功するにはどうすればいいかを具体的に学ぶことができます。
元になっている本は『すべての仕事がやりたいことに変わる―成功をつかむ脳機能メソッド40』と『ビジネスで圧勝できる脳科学』の2冊です。
苫米地さんの読者は30~40代の男性が多いので、ビジネスマンも多いと思われます。マンガという手法を使うことで、若い層や女性を取り込もうとしているのでしょうか。
作画は藤沢涼生氏という方で、主にWEB媒体で活躍されているようです。
絵柄やコマ割りは少年漫画に近く、読みやすかったです。男女年齢問わず、幅広く読まれるタイプだと思います。
ビジネスが変わるコグニティブ・サイエンス(認知科学)のキャラクターとストーリー
スマートフォンアプリ制作会社である、クラックリーが舞台です。
企画部に所属している日野真知は、毎日眼の前の仕事をこなすので精一杯。自分の企画を立てることができていません。
そんな彼女が認知科学者である当麻英太郎と出会い、変わっていくというのが大まかなあらすじです。
日野真里
今作の主人公である日野真里(32)です。
前作の主人公である栗原美紀は元気が良く前向きな印象でしたが、真里はどちらかと言えばダウナー系で落ち着いた感じの女性です。
それでいて、高校時代に演劇部でお芝居をやっていたことを誇りに思っており、夢の中で不思議の国のアリスを演じるなど熱い側面も持っています。
また、やりたいことはあるのだけれど何もできずに一日終わってしまう…というのはありがちです。
個人的には非常に共感のできる主人公でした。
当麻英太郎
苫米地さん関連のメディアには、苫米地英人の分身だと思われるキャラクターが必ずいます。
今作で該当するのが当麻英太郎(36)です。苫米地さんを二回りほど若返らせ、さわやかな好青年にした(?)という印象でした。
英太郎がアファメーションのアプリの開発を制作会社のクラックリーに依頼し、クラックリーの従業員である真里が担当者として名乗りを上げるところから物語が始まります。
2019年3月現在、苫米地英人入門に最適な一冊
このサイトを運営していて、『最初に読む苫米地英人の本はどれがいいか?』という質問を受けることがあります。
はじめて苫米地さんの本を読む場合、まず問題になるのは専門用語や、一般的な意味とは違う意味で使われる単語が多く出てくること。具体的には以下のような用語です。
- ゴール
- 抽象度
- エフィカシー
- クロックサイクル
- コンフォートゾーン
- スコトーマ(心理的盲点)
- ホメオスタシス
- 臨場感
- RAS
- アファメーション
- ゲシュタルト
- want to と have to
本書では上記の用語をすべてカバーしています。コーチングの用語が中心ですが、クロックサイクルやゲシュタルトなどそれ以外も含まれます。初見で意味がわからない用語はほぼカバーしていると思います。
1冊でこれだけ載っているのは、苫米地さんの本の中では『201冊目で私が一番伝えたかったこと』と本書くらいでしょう。
それも文字だけではなく、図や漫画で説明されたほうがわかりやすく、ストーリーを追ったほうが記憶に残りやすいというメリットもあります。
また苫米地さんに興味を持つ人は、現状に不満があって何か打開するきっかけを探している人が多いのではないでしょうか。本書の主人公、真里のように。
経済的に成功することを考えるのであれば、必然的にビジネスでの活用が中心になります。認知科学を活用してビジネスで成功するという本書のテーマはまさにピッタリだと思います。(もちろん、ビジネス以外の分野…日常生活や趣味でも活用できるます)
2019年3月現在、漫画に抵抗がなければ、本書は多くの人にオススメできる苫米地英人入門書です。
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