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コーチングを知らない組織は生き残れない!?『「組織が結果を出す」非常識でシンプルなしくみ』

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「組織が結果を出す」非常識でシンプルなしくみ

コーポレートコーチングの本です。個人を対象とする通常のコーチングと比べて、コーポレートコーチングは、企業など組織に対するコーチングのことです。

本の著者は苫米地さんではありませんが、苫米地さんが全面監修しているそうです。

苫米地さん自身もコーポレートコーチング 上コーポレートコーチング 下という本を書いていて、以前レビューしました。この二冊は、苫米地さんのコーチングの本を読んでいたほうが理解しやすいですが、本書は前知識がまったくなくても読むことが出来ます。

巻末に用語集もついていて、とても親切です。また、本書は小説と解説を組み合わせるスタイルを取っているので、理解しやすく記憶に残りやすいといえるでしょう。

苫米地本との違いについて

基本的な内容は苫米地さんのコーチングの本と違いはありません。エフィカシーなどの用語もそのまま出てきます。

では読む価値はないのか?もちろんそんなことはありません。同じことでも苫米地さんとは違った表現をしたり、違った視点で語っている部分があります。苫米地さんの本を読んでいる人でも、違う観点で考えることによって、疑問が解消したり、より理解を深める効果があると思います。

エフィカシーを高めるには?

コーチの役割はエフィカシーを高めること・・・と言われるくらいエフィカシーを高めることはコーチングにおいて重要です。エフィカシーを高めることによって、自分の能力を最大限に引き出すことができます。

自分の認識が自分の能力にまで影響することは、以前にレビューを書いたセリグマンの『オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ)』などで明らかです。

本書ではエフィカシーを上げるための方法論を提案します。

しかし、エフィカシーを上げることは言うほど簡単ではないでしょう。むしろエフィカシーを下げることを言ってしまうことも多いかもしれません。

それは「自分と周囲の人たちの良いところを常に見つける」ことです。

あなた自身にも、周囲の人たちにも、所属する組織でも、その本人自身がまだ気づいていないような良いところが必ず存在します。それを常に見つけてみましょう。さらにそれを言動で表現してみるとよいでしょう。

実は、私たちの無意識は、「自他の区別」をしていません。他人に対して評価を高めるような言動を心がけることは、自分に対しての評価を高めることにつながります。25

他人や組織の良いところを見つけて、褒めることが自分字便のエフィカシーを上げることに繋がるというのです。

これは、エフィカシーの高い人の特徴を逆に利用する方法です。エフィカシーが高ければ、余裕があるので、他人の良いところを見つけたり、褒めたりすることは簡単です。逆にエフィカシーが低ければ、余裕もないですし、自分自身に精一杯でしょう。

月並みですが「なるほど・・・」と思いました。

ゴール設定の心構え

コーポレートコーチングに限らず、苫米地さんの本ではゴールの設定がキーワードになっている場合が多いです。ただのゴールではなく、「現状の外側」にあって、自分が本当に望むゴール。それも職業や趣味、健康や社会貢献などバランスよく複数のゴールが必要だといいます。

前提条件をいろいろ考えると、簡単にはいかないでしょう。

なぜ「ゴール設定」が難しいのか。まず、コンフォートゾーンの外はスコトーマになっているので、「現状の外側のゴール」自体がどんなものなのかわからず、簡単にはみつかりません。さらに、私たちは子どもの頃から「望むこと」でなくても一生懸命にやるように訓練されていますし、取り組むことを心から望んでいるかどうかすら、いちいち検討しません。そのため、たいていの人は「心から望むこと」を見つけるのがとても苦手です。さらに「たくさんのことを同時に追い求めるのはよくない」と教えられている面があり、人生のゴールを各方面にまんべんなく設定することに戸惑う人も多いようです。

ゴール設定のポイントは、あまり深刻に考えないことです。自分で「これがゴールかな」と思う者を設定し、まずはそれに向かって動いてみる。その結果として、次は新しいゴールが見つかったなら、遠慮なくゴールを更新してしまう。少しずつ動いていけば、徐々に真のゴールに近づいていきます。そうするうちに、必ず自分の真のfゴールが見つかるので、その日に「これがゴールだ」と思うことに向かって進んでみてください。 82

ゴールは仮のゴールでいいというのです。これも目から鱗でした。

本当のゴールとは何か?と悩んでいるよりは、仮のゴールを決めて動き出し、ゴールを修正していって真のゴールに近づくというのは現実的だと思います。

抽象度高い思考をしやすくする方法

苫米地さんは抽象度を上げろ!と繰り返し主張しています。この抽象度を上げることは前述のゴール設定から、クリエイティブ、問題解決、お金を稼ぐなどさまざまな状況で必要とされています。しかし、抽象度を上げることも簡単ではありません。

私は今この原稿をある一流ホテルの56階の一室で書いています。部屋の外に目を向ければ、広大な広がり、遙か遠くの建物まで見ることができます。ここから見えるほとんどのものは、自分が地上や低層階の高さにいては見えなかったものです。高層階からの眺めは俯瞰して観ている状態といえるでしょう。

このような環境に身を置くと、自然と抽象度の高い思考がしやすくなります。 140

抽象度を上げるために、高いところに登る・・・非常に画期的だと思います。なぜならばこれ自体は「具体的な方法」だからです。

一流ホテルは難しいかもしれませんが、高いところに登るだけであれば簡単にできます。

コーポレートコーチングの難しさ

本書を読んで改めて思ったのが、コーポレートコーチングの難しさです。本書の小説の部分を読むと、主人公はコーポレートコーチングを使って傾いている自分の会社を変えようとします。

もちろん上司など抵抗勢力は出てくるので、すんなりとはいきません。

しかし最終的には良い方向に向かいます。コーチングの力もありますし、主人公の努力や仲間たちの協力などさまざまな要因がありますが、一番の理由は経営者がコーチングを理解を示したからだと思います。

苫米地さんもコーポレートコーチングの本で会社のエグゼクティブからコーチングを受けるのが普通だと言っています。

したがって、当協会では出来る限り組織に「コーポレートコーチング」が浸透するように、二種類のプログラムを開発しており、導入を検討される組織のご要望や状況に応じて、このプログラムを組み合わせて提供しています。

まず、組織のトップ・エグゼクティブを対象とした、PtoPエグゼクティブコーチングです。このプログラムは、組織トップやエグゼクティブお一人お一人に、コーチングセッションを受けていただくプログラムです。

次に、管理職や現場のリーダーを対象としたグループ向けの、コグニティブ・コーポレート・コーチング・プログラム(CCCP)です。このプログラムでは、個人のマインド(脳と心)の仕組みと使い方を学び、その応用でハイパフォーマンスな組織を作るために必要な「コーポレートコーチング」の理論を学んでいただきます。これら二種類のプログラムの概要は、それぞれの紹介をご覧ください。

http://cognitivecoaching.or.jp/program/より引用

苫米地さんとこの本の著者たちの団体”一般社団法人コグニティブコーチング協会”のサイトによると、プログラムには二種類あり、やはり組織のトップにコーチングした上で、その他の社員に行うのが一般的なようです。

つまり、経営者サイドがコーチングを受ける、少なくとも理解を示す必要があります。平社員の立場でコーポレートコーチングを実践しても、成功する可能性は低いでしょう。エフィカシーを上げ、抽象度を上げた結果、転職や起業などで会社を去る選択肢をとる場合が多いのではないでしょうか。

経営者にコーチングを理解させるというのが、コーポレートコーチングの最大の難点だと思います。

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