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役に立つが平凡な苫米地英人の就活本!?『なりたい自分になれる就活の極意』

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なりたい自分になれる就活の極意 脳機能学者が明かす「自分プロデュース就活術」

このサイトでは何度か話題に出していますが、アンケートによると、苫米地さんのニコ生の視聴者は30代から40代が一番多かったです。本の読者も同じだと推測されます。

苫米地さんの考えやメソッドは働き盛りの30~40代の人たちに需要があるのでしょう。

しかし、もっと早い内から苫米地さんの考えやメソッドを知っておくのも良いと思います。これから働き始める学生の方にも役に立つのではないでしょうか。

企業にもよりますが、だいたい春休みあたりでエントリーして、来月あたりから実際の試験や面接が始まるところが多いと思います。

そこで今回は苫米地さんの就活本を取り上げます。就活本としては内容がまとまっているので、これからor現在就活をしている方には大変役に立つ本です。

反面、苫米地さんの本を何冊も読んでいる人(私を含む)からすると、ものすごく平凡なことを言っている苫米地さんを見ることになります。なので、就活をしている方以外にはあまりオススメできません。正直言うと、私は本書を読んで少しガッカリしました。今回のレビューはどちらかというと批判的になります。

200冊以上も本を書いていると、こういった本も出てくるのは当然です。あえてこの本を今回取り上げるのは、苫米地さんを知る上で、そのほうがフェアだと私は思うからです。

苫米地英人が就活本を書く理由

かつて三菱地所の人事部に在籍し、採用活動の裏側をつぶさに見てきたからです。大企業のメンタリティーがよくわかっているので、みなさんにも合否のポイントとなる実践的なアドバイスを提示できると思います。

そして、もう一つの理由が、この国の未来を変えるためです。

採用活動を筆頭に、育成や昇進などの制度を含めた人材戦略は、多くの企業が間違った方向へと進んできました。(中略)

もうこれ以上、大いなる可能性を秘めた若者がつぶされていく姿を、黙って見過ごすわけにはいきません。

これから就活を始めるみなさんには、健全な企業カルチャーが根付いているところを、自分で選び取っていく必要があります。 №100

苫米地さんが大学を卒業して入社したのは三菱地所でした。

改めて説明はいらないと思いますが、三菱地所は三菱グループの中核会社で、日本で三本の指に入る不動産会社、東証一部上場の大企業といえます。

苫米地さんが実際に働いていたのは、1983~1985年の二年間。日本の経済はバブル期に入る前の安定成長期です。

このような極めてよい時期に、大企業に入社できたと言えます。

しかし、これは本人の実力ではなく、父上のコネで入社したことを苫米地さんは自伝の中で書いています。

その頃、東大法学部でトップの学生の進路は大蔵省(現在の財務省)に行くか興銀に行くか悩んだほどだった。まさにその時代の興銀と三菱地所には密接な関係があり、私の父親と財務担当者の原常務は親しかった。そもそも原常務は東大医学部に進んだ私の従兄弟と親友だったということもあり、半ば家族ぐるみの親交があった。

父親と原常務の間で「来年うちの息子が就職なんだ」という話をしたそうで、それは大人の間の話ではコネ入社を依頼した、ということなのだろう。翌週には父親に呼ばれ、すでに三菱地所入社への話は整っていた。就職するかどうかさえ考えていなかった私にとっては、三菱地所が何をする会社かさえよくわかっていなかったが、話を聞いてみると面白そうだなと思い、特にこだわりなく就職することを決めた。『自伝ドクター苫米地』80~81ページ

この時代はコネで会社に入ることは、普通のことだったと思います。しかし、時代といい入った会社といい苫米地さんが非常に恵まれているのは事実ですし、会社の中でノットノーマルで入れたのも、コネ入社だからという側面は否定できません。

だから元の三菱地所だから~というのはあまり参考になりません。現在はどうかわかりませんが、仮に三菱地所にコネのある人であれば、この本を読む必要もあまりないからです。

平凡な主張

この本で苫米地さんが繰り返し主張しているのが、大企業に入るべきというもの。

大企業の定義は、「従業員1000人以上」と「上場後二十年以上」だそうです。

苫米地さんらしからぬ平凡な主張と言えます。普通は、小さい企業より大きな企業に入りたいと思うことが多いでしょう。

大企業に入るべき理由は、仕事の守備範囲が広いことと、時間的余裕があるから。ゴールが見つかっていない人にこそオススメだというのです。

確かに、ゴールを見つけるためには、より幅広い仕事ができて、時間的余裕があるのが理想です。これも当たり前すぎる主張です。

よくまとまっている

他に本書の内容を挙げていくと、

  • 無理に就職する必要はない
  • 日経新聞と会社四季報を読む
  • 興味のある会社の株価を追う
  • 興味のある会社の決算報告書かマニュアルレポートを手に入れて財務分析をする
  • インターンシップに参加する
  • 体育会系の場合は副主将になりきる

といったもの。これらも当たり前で普通の主張です。転職会社や学校の就活セミナーでは言われることですし、ちょっと気の利いた就活生であれば既にやっていると思います。これらの内容がよくまとまっていると言えます。

しかし面接のテクニックや外資系企業へ就職する方法については、他ではない情報かもしれません。

このように本書は就活生にとってはかなり役に立つと思われます。苫米地さんに関してよく言われる胡散臭さや怪しさも極めて少ない本です。反面、意外性が薄い退屈な本とも言えるでしょう。

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