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組織に対するコーチング『コーポレートコーチング(上)』

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コーポレートコーチング 上

コーチングは苫米地さんが教えているメソッドの中でも需要がある技術です。海外では企業や組織で導入されているケースが多いそうです。

本書によると、ルータイス氏のコーチングはアメリカの大企業500社(フォーチュン500)の半数以上が導入しているそうです。具体的な企業としては以下が詳しいです。

Results | The Pacific Institute®
Specializing in creating high performance mindsets for individuals, teams, and organizations since 1971.

有名なのはコカコーラなどの民間企業やNASAなどの公的機関、その他は航空会社や金融機関、教育機関などが多いでしょうか。アメリカだけでなく、中国の江蘇省もあります。おもしろいクライアントとしてはミルストン原子力発電所でしょうか。

一方、日本でコーチングは個人が自己啓発を目的として行うことが多いと思います。そこで本書では、組織に対してどのようにコーチングをしていくか書かれています。

コンサルティングとコーチングは違う

日本では企業に対するコーチングは一般的ではないと書きました。とはいえ、コンサルティングを受けるのは一般的です。

大企業を相手にするマッキンゼーなどの大手コンサルティング会社や、中小企業が対象の銀行や税理士が行うコンサルティングなど。規模を問わず、どこの会社でも普通に行われていることだと思います。

コンサルティングもコーチングも、その企業が最大の利益を出すために依頼されるという点では一致しています。しかし、苫米地さんはコンサルティングとコーチングはまったく異なるものだといいます。

 

コンサルティング・・・企業の業務改善、仕組みの改善などを指導する。

コーチング・・・社員や幹部のマインドを変えるように指導する。

 

企業の経済活動に対して具体的に指導するコンサルティングに対して、仕事そのものではなく、働いている人のマインドを変えようとするコーチング。方法論としては正反対になります。コーチングでいう企業というのは、営利企業だけでなく、医療、学校、社会福祉法人、非営利組織やスポーツのチームなども含まれます。

パーソナルコーチングとの違い

問題はコーポレートコーチングが個人向けのコーチング”パーソナルコーチング”とどう違うのかです(苫米地さんが書いている他のコーチング本を読んでいない人は、先にそちらを読むことをオススメします)

ゴールを設定して、エフィカシーを上げていくという基本的な流れは同じです。しかし、細かいところに違いが出てくるといいます。

コーポレートトーク

パーソナルコーチングではセルフトークというテクニックがあります。これは意識無意識問わず、自分に発する言葉をエフィカシーを上げるものに変えていくというもの。その組織版であるコーポレートコーチングというのが出てきます。組織の人間による会話ということですが、仕事上での会話から喫煙所や居酒屋での会話など幅広い会話が含まれます。飲み会で仕事の愚痴しか出ないのであれば、当然エフィカシーを下げてしまうことになります。

自分だけのセルフトークより難しそうに感じました。そのために苫米地さんは組織にしっかりゴールが設定され、一人一人のエフィカシーが高いことが重要だといいます。

エモーションコントロール

エモーションコントロールはパーソナルコーチングではあまり使われないテクニックです。

これは情動をコントロールするもので、本書には具体的には載っていませんでしたが、以下の動画で苫米地さんが具体的なやり方を説明しています。

苫米地メソッド007「エモーションコントロール」苫米地英人

動画の中でも言っているとおり、軍人向けのテクニックだそうです。なぜこれが軍隊でない普通の組織にも必要なのでしょうか。

軍人は戦場で強いストレスを感じます。隣に立っていた仲間が死んだり、相手の兵士を殺したりする必要があるからです。その時に、情動が優位になってIQが下がってしまうと自分自身も危険になる可能性があります。そこで使われるのがエモーションコントロールですが、企業など普通の組織では軍隊と違って生き死が関わってくることはありません。しかし、ストレスと無縁とはいえないでしょう。ライバル社との競争だったり、自社のリストラなどあなたにも心当たりがある思います。感情をコントロールして、エフィカシーを維持することは、組織にとって重要なことだといいます。

ゴールの共有

パーソナルコーチングでは、コーチの助けを借りて自分でゴールを決めればよいのですが、組織の場合はそれだけではありません。組織の構成員全員がゴールを共有しなくてはならないのです。これも難しそうに思えますが、苫米地さんは共有する方法を3つあげています。

1個人のゴールの抽象度が組織のものより高い

2組織のゴールの抽象度が個人のものより高い

これらの方法は個人にもゴールがあることが前提になります。そして個人、組織いずれの抽象度のほうが高くても、高いほうに低いほうが含まれるので問題ありません。

例えば、個人のゴールが地域経済の活性化だとして、組織のゴールが日本経済の活性化だとします。”日本経済”の中には、当然”地域経済”も含まれるはずです。だから組織と個人がゴールを共有することは可能になります。

問題は個人のゴールと組織のゴールがまったく違うときです。そのときは『それぞれの抽象度を上げて、両方を包括するようなゴールを新たに設定する』必要があります。

例えば、あなたがアメリカ系外資企業で働いているとしましょう。あなたのゴールは日本経済の活性化で、会社のゴールが米国経済の活性化だとします。日本経済と米国経済は抽象度の高い低い関係ではないので、ゴールが共有できません。そこであなたと会社のゴールを世界経済の活性化とするのです。そうすれば双方のゴールは新たなゴールに含まれるからです。

コーチの役割とは?

私が感じたのは、パーソナルコーチングと比べて難しいのではないか?ということです。一人のコーチングをするのと比べて、構成員一人一人のゴールを確かめないといけないので、手間がかかることは間違いないと思います。本書でも書かれているのは、組織の構成員の中でもトップがまず受けるべきだということです。トップが組織に良い影響力を発揮して、最終的には構成員がお互いにコーチングをし合う組織が理想であると苫米地さんはいいます。

またコーチの仕事とは何か?がわかったような気がします。これは前にニコ生でも言っていましたが、コーチの仕事がクライアントのゴールを達成させることだと勘違いされているが、コーチの仕事は『エフィカシーを上げること』と書いてあります。エフィカシーをあげて、ゴールを達成できるかは本人(組織)次第ということでしょう。これはコーポレートコーチングでもパーソナルコーチングでも同じです。

以下は余談ですが、苫米地さんのゴールは『世界から戦争と差別を無くす』こと。ここまで抽象度が高いとほとんどの人のゴールはここに含まれてしまうのではないでしょうか。”金持ちになりたい”や”モテたい”などの即物的なゴール(これがゴールとして適当かは別ですが)も戦争や差別があっては成り立たないものだからです。平和で公平な世の中という大前提があってはじめて、個人がお金や異性などを自由に求めることができるのですから・・・。

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