スポンサーリンク

チェ・ゲバラを絶賛する苫米地英人!?『もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった』

スポンサーリンク

もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった

苫米地英人とフィデル・カストロ・ディアスバラルート

フィデル・カストロ・ディアスバラルートは、2016年に亡くなられたキューバの最高指導者であるフィデル・カストロの長男です。

カストロ氏(本記事では父親ではなく長男のフィデル・カストロ・ディアスバラルート氏を指します)はロシアに留学した原子力の専門家で、政治家ではなく科学者の立場からキューバの科学行政に関わっているようです。

もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった』はカストロ氏と苫米地さんの共著になります。第一章を苫米地さん、第二章をカストロ氏が執筆しており、第三章は二人の対談です。

フィデルと私がはじめて出会ったのは、2008年に私がキューバに行ったときのことです。駐キューバ日本大使館の昼食会に招待され、その昼食会にフィデルも出席していました。お互いに学者同士ということもあり、すぐに意気投合しました。そして別れ際。彼が「君の宿泊しているホテルはどこだ?」と聞いてくるので、「ハバナで最も有名な『ナショナル・デ・キューバ』ホテルのスイートだよ」と教えてあげたら、その翌日にフィデルがふらっとホテルにやってきたのです。そのときいろいろ話をする中で、機会があれば一緒に本を書くことを検討することになりました。 2

本書では「フィデル」「英人」とお互いファーストネームで呼び合っています。それだけ仲がいいのでしょう。

結論から言うと、苫米地さんの『世界から戦争と差別を無くす』というゴールにカストロ氏が共感したのだと思います。

苫米地さんの意見を尊重しつつも、迎合せず自分の意見を述べるカストロ氏。対談はかなり読み応えがあります。

チェ・ゲバラを絶賛する苫米地英人

第一章で日本がキューバから学べることは多く、その代表がゲバラ主義だと苫米地さんはいいます。

チェ・ゲバラはフィデル・カストロ(父)と共にキューバ革命を起こし、革命政府の要職を歴任した後、キューバを離れ今後やボリビアでも革命を起こそうと戦いますが、最後はボリビア軍に捕まり処刑されます。伝説の革命家です。

人類の歴史を振り返ったとき、革命家と呼ばれる人物は数多く存在しますが、本当の意味での革命家と呼べる人は数えるほどしかおらず、その1人がチェ・ゲバラです。そして今、ふたたびチェ・ゲバラのような「真の革命家」が出現しないと、この世界は滅んでしまう危険があると私は思っています。 14

苫米地さんはチェ・ゲバラを大絶賛しています。ゲバラは歴史上数少ない真の革命家だと行っています。

苫米地さんが歴史上の人物をここまで大絶賛するのは珍しいです。他には真言宗の開祖空海(空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば)くらいしか思いつきません。

ただしゲバラの武力闘争を評価しているわけではなく、高い理想を掲げつつもそれを実行した点を褒めており、これをゲバラ主義の本質で、革命の基本原理だといいます。

また、ゲバラは存命中に来日し、広島の原爆関連の施設に訪れましたが、当時は冷戦中で日本のメディアではほとんど報じられず、取り上げられた朝日新聞でも「カストロ・ヒゲ」などとよくわからない書かれ方をされたそうです。

ソ連への恐怖から、共産主義に強いアレルギーがあったことが原因のようです。

しかし、ソ連が崩壊した現在、冷静な視点でゲバラを評価する時代が来ていると苫米地さんは言います。

共産主義失敗の理由

苫米地さんは資本主義を批判しつつも、ソ連も崩壊し共産主義は失敗したのでこれからは独自の主義を掲げるべきだといいます。これが、本書での苫米地さんの主張の要約になります。

さまざまな本ですでに書いていますが、資本主義や共産主義が生まれた背景には「10人の人がいたら、1人が必ず飢えてしまう」時代状況があり、「その1人を飢えさせないためにはどうしたよいか?」という発送があります。

共産主義は、簡単に言うと「10人に1人が飢えているのなら、みんな0.9の食糧で我慢しましょう」というイデオロギーです。一方、資本主義は「自由競争」をして経済を発展させて。みんなが幸せになれる社会を作りましょう」というイデオロギーになります。資本主義の場合、仮に経済が発展できなかったときには「ビリの人間は死ね」「死ぬのが嫌なら、もっと頑張りましょう」という野蛮な考え方も内包しています。

資本主義がすごかったのは、「10人のうち1人が死ぬかも」と自由競争をやりはじめたら、全体の生産性が底上げされて、地球上の全人口が飢えないだけの食糧を作れるようになってしまったことです。(ただし、今でも6人に1人には分配されていないという歪みはありますが…)37

理想的に見えた共産主義も、指導者に煩悩(欲)があるため、平等な社会とはならなかったわけです。

しかしキューバの指導者は、国民の生活レベルが下がれば、自分たちの生活レベルを落としたことでうまくいったようです。

具体的にはゲバラが大臣になってからも農場で農作業をしていたことをあげています。

もう一つは、共産主義では戦争が費用になってしまうことを苫米地さんは言っています。

例えば戦車を作る場合、共産主義の国では単純に税金を消費するだけです。資本主義の国でも税金は消費されますが、同時に戦車を作っているメーカーには利益が発生します。

共産主義国で戦争をすると貧しくっていくのに対して、資本主義国では(ある意味)豊かになっていくのです。

もっとも、これは共産主義の失敗であると同時に資本主義の欠点とも言えます。利益のために戦争をことになるからです。

苫米地英人は真の革命家になれるか?

苫米地さんはゲバラを絶賛し、日本にも真の革命家が必要だと訴えますが、本人はどうなのでしょうか?つまり苫米地英人自身はどうか?

私の主観ですが…現時点では難しいと思います。

世界から戦争と差別をなくすという高い理想はゲバラに負けていません。寄付やその他の活動も積極的に行っているようです。しかしゲバラに比べて実行のほうがまだ足りていないでしょう。

例えば苫米地さんは資本主義を批判しますが、フェラーリを購入し、ブランドの服や小物で固めており、資本主義の成功者としての側面を満喫しています。

これを批判するつもりはありませんが、少なくとも主張との整合性を説明する必要があるでしょう。

本書でも『肉食をやめれば飢えに苦しむ10億人を救うことができる』と言っていますが、苫米地さんがよく食べるというセブンイレブンの”じっくり煮込んだミートソースパスタ”にも牛肉は使われています。

これは苫米地さんが特別悪いとは思いません。

むしろ苫米地さんのように高い理想をい掲げていても現代の日本において、真の革命家になることが難しい証明でしょう。なぜなら煩悩があるから。”言うは易く行うは難し”というわけです。

共産主義はダメだとしても、資本主義に問題があるのは事実なので、それを修正してくのは現実的な道でしょう。

もう1つは民衆と一緒に農場で働く…ゲバラのような革命家が出てくること。本書を読んで現代の日本には真の革命家が必要だと感じました。

コメント