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苫米地英人の速読『クロックサイクルの速め方』

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クロックサイクルの速め方 ~脳が2〜32倍速になる特殊音源トレーニングCD付~

苫米地さんによる脳を鍛える方法には、3種類の方法があります。

  1. 抽象度を高める
  2. クロックサイクルを速くする
  3. グレインサイズを最適化する

本書では2のクロックサイクルを速めるためのトレーニング本になります。

1の抽象度について苫米地さんは多くの本で述べていますし、本書でも言及しています。3のグレインサイズを最適化するトレーニングは『グレインサイズの高め方』に載っています。私も以下にレビューを書きました。

苫米地英人によるマルチタスク『グレインサイズの高め方』
『グレインサイズの高め方』のレビューです。苫米地さんの本には珍しく具体的なトレーニング方法が載っています。

順番としては、どれから始めても良いと思いますが、一番取り組みやすい本書のトレーニングから始めることをオススメします。

クロックサイクルとは?

まずクロックサイクルとは何でしょうか。

苫米地さんの脳を鍛える方法は、認知科学の知見を元にしています。

認知科学とは人間の脳(心)を情報処理の観点から研究する分野です。人間の脳(心)をコンピューターに例える学問だといったほうがわかりやすいでしょうか。つまり、コンピューターをいかに高性能にするかの方法論を人間の脳に当てはめているわけです。

本来の意味でのクロックサイクルとは、コンピューターのCPUの演算処理速度のことです。しかし、本書で苫米地さんは人間の脳の情報処理速度のことをいっています。

このクロックサイクルを上げることによって、人間の仕事のスピードを上げるのが本書の目的です。

パソコンに詳しい人や自作PCが趣味の人であれば、容易に理解できると思います。クロックサイクル(周波数)が高いCPUのほうが処理が速く、高性能といえるからです。

苫米地英人の速読

具体的なトレーニング法として苫米地さんは速読を奨励しています。速読をすることによってクロックサイクルを上げ、仕事や私生活にも生かすというわけです。

苫米地さんには『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)』という本がありますが、本書の内容はほとんど同じです。トレーニングテキストやCDがついているので本書のほうがオススメです。

具体的なトレーニング法はあとで触れますが、速読にはいくつか注意点があると苫米地さんはいいます。

娯楽のための読書は速読しない

小説やマンガなど娯楽のために読む本があります。これらを速読するのはナンセンスだというのです。編集者や評論家など仕事で読む場合ば別ですが、娯楽本はその本を味わい、感じながら読むものだからです。

速読は1知識を得るための本と2読まなくていい本を選別するために行うべきだといいます。

自我を消して読む(著者になった気持ちで読む)

これはスコトーマを外すためのもの。スコトーマとは盲点のことで、具体的には自分の知らないことや、興味がある部分”以外”のところです。

自我が強すぎると、このスコトーマによって新しい知識を得ることが難しくなってしまいます。自我を消して読むのが理想ですが、じっさいにはなかなか難しい。

そこで作者の気持ちで読むという方法です。著者であれば、自分の書いた本のことはすべて知っているので、スコトーマが外れます。

また副次的な効果として、著者にとって重要な部分がわかるようになるといいます。

アウトプットは人格に現れる

「本を読むだけでは意味がない、アウトプットをしなくては」ということはよく言われます。

苫米地さんはその必要はないという立場です。小手先の知識ではなく、本当に自分が必要だと思った知識は自分の人格に影響するので、意識をしなくてもアウトプットはできるというのです。つまり、読書は人格を作るために行うともいえます。

具体的なトレーニング法

本書には速読トレーニングのためのテキストが収録されており、CDも付属します。具体的なトレーニングとしてシャドーイングがあります。

シャドーイングは音読の一種で、英語学習によく使われる方法です。影のように付いていくことからシャドーイングと呼ばれます。音声を聞きながら、それの後に続いて自分もテキストを音読していきます。だいたい0.5秒ほど遅れて音読するとよいでしょう。

付属のCDには普通の音声と2倍速の音声が収録されています。まずは普通の音声でシャドーイングを行って、慣れてきたら二倍速にチャレンジするといいでしょう。ちなみにテキストは『頭の回転が50倍速くなる脳の作り方~「クリティカルエイジ」を克服する加速勉強法~』のチャプター1~3です。

多くの人は読書をするときに、頭の中に声が聞こえているといいます。2倍速シャドーイングによって、この声は早口になるので、本を読む速度は簡単に速くなります。

本を読むときに頭の中で「声」が聞こえる人と聞こえない人がいることが判明
本などの文章を読む際に、声に出さずに黙読していても頭の中で文章を読み上げる「声」が聞こえる、という人が8割以上を占めていることが調査から明らかになりました。「読書中の内なる声」については、これまでほとんど研究が行われていない分野であり、幻聴障害の研究にも役立つのではないかと見られています。

クロックサイクルを速めることは万能ではない

速読によってクロックサイクルを上げて、仕事や私生活も速くするのが本書の最終目標になります。そのあとで重要になるのが抽象度です。

クロックサイクルや並列度をどれだけ上げていっても、抽象度が低ければ、たいした結果は得られません。それは、自動車機械工と、自動車会社の社長を例に挙げればわかりやすいのではないかと思います。

二人とも同じクロックサイクルと並列度を持っていても、彼らの思考に要求される抽象度の高さは全く異なります。社長はより高次な抽象度の思考を要求されますし、機械工はより低次の抽象度の思考を要求されています。

ちなみに、一人の機械工がクロックサイクルと並列度を極限まで高めて、彼だけが以上に速いスピードで部品の組み立てを行ったとしても、周囲の人間や機械がそれに追いつけなければ、生産性の向上に貢献できないどころか、逆に生産性を下げてしまうという現象が起きる可能性があります。

このようにクロックサイクルや並列度、思考の抽象度は、個人が置かれた状況によって、その速さや効率性の重要度が変わってくるものなのです。 『201冊目で私が一番伝えたかったこと』161~162ページ

苫米地さん自身がいっているように、クロックサイクルを速めることは万能ではありません。仕事によっては役に立たない場合があります。

個人の状況や場面でクロックサイクルを速めることはどの程度有効なのか考える必要があります。

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