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空海はどうすごいのか!?『空海は、すごい』

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空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば

空海は、すごい・・・これまたインパクトの強いタイトルですね(笑)もちろん空海はすごいと思いますが、それをストレートに表現するとは。

とはいえ、天台宗の僧籍を持っている苫米地さんが空海を押しているのは特筆に値します。

天台宗の開祖は最澄なので、「最澄は、すごい」だったらそこまで驚きませんが、空海は真言宗の開祖。最澄と空海の間に交流はあったのですが、最終的には袂を分かっています。

本書の中で苫米地さんは、密教だけでなくキリスト教との対比や浄土真宗の親鸞の思想にも触れながら、空海がすごい理由を語っています。

本書の内容

本書は2部構成になっています。

1部で密教の説明、密教の歴史、日本の仏教の特殊性、空海がすごい理由を書いています。さらに、苫米地さん自身がなぜ仏教に興味を持ったのか。

2部では『空海の言葉』と題して、空海の著作の中から「空海の代表的な言葉」「重要な思想面をうつす言葉」「密教の本質を表現している言葉」「人間性豊かな言葉」の四つを取り上げて、苫米地さんが現代訳しています。中には解説しているのもありますが、基本的には現代人がわかるように簡潔な訳になっています。

そして最後に付録として、空海の思想に触れるためのブックガイドと空海ゆかりの地を載せています。それぞれに苫米地さんの解説付きです。

空海がすごい理由

空海は平安時代初期に唐に渡り、帰国後真言宗を開きました。弘法大師とも言われます。

http://www.toji.or.jp/kukai.shtml

真言宗の特徴としては密教があげられます。密教とは本来は文字によらない秘密の教えのことでした。真言宗では『顕教』の対比を意味します。

真言宗では経典を二つに分けます。『顕教』である法華経や般若経、『密教』である大日経や金剛頂経といった具合に。

また、密教には儀式等のイメージもつことも多いでしょう。護摩祈祷なんかは、真言宗のお寺ではよく行われています。

インドで始まった仏教は、上座部仏教と大乗仏教に分かれます。

仏陀の教えを忠実に守る保守派である上座部仏教と、大衆に布教するべきだという改革派の大乗仏教です。多くの支持者を得たのは大乗仏教のほうでしたが、布教を目的としているので当然です。

しかし時が経つにつれて、大乗仏教も難解な教えや、思想化哲学化の流れからは逃れられませんでした。一般大衆に布教する場合、教義があまり難解すぎると受け入れられにくいでしょう。

そこで仏陀のころはタブーとされていた、バラモン教の儀式を取り入れることにしました。やはり一般大衆には難解な教えを説くよりも、儀式をみせたほうがわかりやすいと思います。

上座部、大乗、そして儀式という大衆へのコミュニケーション。これらを兼ね備えた密教を、苫米地さんは完成された仏教と言います。

その完成された仏教である真言宗の開祖、『空海は、すごい』というわけです。

苫米地英人と仏教

私が本書を読んだのは、苫米地さんがいかにして仏教に興味を持ったかが知りたかったからです。

『洗脳原論』によると、自身は上智大学で厳格なキリスト教の教育をうけたので、元オウム信者の脱洗脳をするまでは、仏教の知識がなかったと言います。そして、脱洗脳の前夜に手塚治虫のブッダを読んで仏教の知識を仕入れたと書いてありました。

ところが、現在の苫米地さんは天台宗の僧籍を持っていて、インドの密教寺院の僧院長もしているといいます。この間になにがあったか?すべてではないですが、本書を読むとその一部を知ることが出来ます。

まずは、離散数理や分析哲学を専門にしていた苫米地さんは、仏教の「縁起」に感銘を受けたそうです。

「縁起」とは『この世に完全なものはない』と解釈しています。これはゲーテルの「不完全性定理」や、物理学の「不確定性原理」など、他の分野でも言われていることですが、これを古代インドの釈迦がすでに言っていたとしたら・・・すごいことだと思います。

もう一つは、1990年代に苫米地さんは、真言宗のお寺に毎週通っていたそうです。

空海の本質を知るため、真言を唱え、瞑想をし、お坊さんと対話するという一回2時間を十年間ほど。そしてある日、お坊さんが祈とうをしている間、瞑想していた苫米地さんは、『空海がいた!』と感じたと言います。この神秘体験を通じて即身成仏の意味を理解したと言います。

真言宗における瞑想とは阿字観でしょうか。

密教や空海の入門書に最適

本書の密教や空海の思想については、どの程度妥当なのか正直わかりません。

私自身、真言宗の思想には明るくないですし、本書の密教や空海の教えには苫米地さん独自の解釈が入っていると思います。しかし、それを差し引いても、密教や空海の入門書として本書は最適だと思います。

それはブックガイドと空海ゆかりの地の散策ガイドがついているからです。参考文献が載っている苫米地さんの本も珍しいですが、本や場所一つ一つに解説つき。

まずは入門に最適”とはいっても難解な”空海の著作から始まって、高野山や東寺のみどころを説明してくれます。高野山大師教会に行けば、誰でも「授戒」という信者になる儀式を受けられるというのは、知りませんでした。

高野山で体験 | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺
高野山真言宗 総本山金剛峯寺の公式ウェブサイトです。高野山は2015年に開創1200年の記念すべき年を迎えます。

苫米地さんの著書の中でも、本書はかなり親切だと思います。空海に対するモチベーションが高いのでしょうか。

以下は文庫版で、内容は同じです。

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