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営業は洗脳!?『「洗脳」営業術 (まんが苫米地式01)』

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「洗脳」営業術 (まんが苫米地式01)

ビジネス本や自己啓発本のまんが化

最近ではビジネス本や自己啓発本をまんがにするのが流行っているようです。

この手法の良いところは、まんがというストーリーやビジュアルイメージをうまく使うことによって、より効率的に内容を理解することができる点。

苫米地さんには、以前私もレビューを書いた『立ち読みしなさい!~美しいほどシンプルな成功術(ありがとう出版発行)』という本があります。

まんがと苫米地さんの解説を交互に入れることによって、大変わかりやすい構成になっているので、苫米地英人初心者にはオススメの本の1つです。

しかし、複数の人が作画を担当しているためか、絵柄が安定していなかったり、ストーリーに一貫性がないという問題点もありました。

営業は「洗脳」のまんが版

本書は2009年に出版された『営業は「洗脳」 一瞬でお客様を支配する禁断の営業術』のまんが版になります。ただし、内容をそのままではなく、再構成した上で新しい技術や知識が盛り込まれたバージョンアップ版ともいえる内容です。

スタイルとしてはまんがと解説を交互に行うというオーソドックスなもので、まんが部分は柏屋コッコという方が担当しています。

柏屋コッコ氏は漫画家としてベテランの方のようで、作画は安定しており、演出のレベルも高く、ストーリーも引き込まれました。普通のまんがとしても面白いです。

主人公は女性で、絵柄もどちらかというと女性向けのような印象ですが、男性でも普通に楽しめると思います。

苫米地さんの本には、多くの概念が出てきます。例えばコンフォートゾーン。

これらの概念は文字だけを追っていくよりも、まんがの中でストーリーを追いながら学習するほうが理解が早く、記憶にも残ります。

「洗脳」営業術のキャラクターたち

(株)シャインタスク営業部の栗原美紀がスーパー営業ウーマンを目指すというのが大まかなあらすじになります。

主人公が兄の栗原秀斗の助言を受け、上司の篠原健次やライバル(?)の篠原エリカたちに妨害されながらも成長していくという、王道のサクセスストーリーと言えるでしょう。それでいて意外な展開が用意されているので、ありきたりな話ではないと思います。

『立ち読みしなさい』では苫米地さん本人が物語の中に登場しましたが、今作には登場しません。かわりに主人公の兄である栗原秀斗がその役割を果たしています。髪も短くなって、30歳とだいぶ若返っていますね。

営業は洗脳

営業の仕事についての「本当の知識」とはいったい何なのでしょうか?

それはひと言でいうならば、営業は「洗脳」であるということです。

「この商品そこ、私が本当に望んでいるものだ」と、お客様に心の底から思ってもらえれば、営業は成功します。そしてそのために活用でるのが、洗脳の技術です。

口のうまさで売る営業は、うってぬれば催眠商法です。催眠状態に陥らされ、いりもしない高価なものを買わされたお客様は、家に帰って家族に「こんな余計なものを買ってきて!」などと𠮟られると、自分でも「しまった、ひどいものを買わされてしまった」と後悔します。

催眠は実は脆弱です。催眠をかけた人物が目の前からいなくなるだけで違和感が生じ、そして催眠から覚めてしまったら終わりです。

これに対して、営業についての「本当の知識」をもつ人の洗脳商法は、寝ても覚めてもずっとつづきます。№87

洗脳の技術を使って、営業をうまく行うというのが、本書の主な内容です。

営業といえば、セールストークなど口がうまいことを思い浮かべますが、それは催眠商法と同じで、洗脳商法に劣ると苫米地さんはいいます。

これだけ聞くと、お客様を騙して売りつける・・・という悪い印象を持つかもしれません。もちろんそうではなく、お客様に売るべきものは『お客様自身のハッピーな未来』だといいます。

営業で秘訣としてよく言われる営業マン自身を売るのではなく、商品自体を売るのでもありません。その商品を購入した結果、お客様がハッピーにならなければいけないのです。

雑談を使ってお客様の抽象度を測る

営業としては、お客様のハッピーな未来に至るストーリーを語る必要があります。そのための手段が雑談です。

営業において雑談が重要なのは当たり前です。しかし雑談をしながらお客さんの抽象度を測り、それに合わせたストーリーを語るのです。

雑談の際、まずはお客様の抽象化能力(どれほどの抽象度で思考するか)を測り、3つのタイプに分類しましょう。

ひとつのタイプは、抽象化能力の高い人。身近で即物的なものだけでなく、数字・哲学といった抽象度の高いものごとや、地球環境・世界平和などスケールの大きい話題にもリアリティを感じられる人です。

その対極のタイプが、抽象化能力の低い人。自分にしか興味がなく、「おいしいものが食べたい」「モテてちやほやされたい」といった即物的なことばかり考えている人です。学術的な話や社会貢献などの事柄は、自分には無関係だと思っています。

実はこれらのふたつのタイプは極端な例で、大多数の人は中間のタイプ、普通の人に分類されます。ただし普通の人も、抽象化能力の高い人に近い層と、抽象化能力の低い層に分けられます。№177

苫米地さんは多くの本の中で抽象度を上げろ!!と主張しています。

しかし、営業のお客様によっては抽象度が高い人も低い人もいるのが当然です。そこで相手に合わせて話す内容を変えるというのは現実的だと思います。

自分の扱う商品によって、事前にストーリーを用意しておくとなおよいでしょう。

また、言葉だけでなく、視覚や聴覚などのモーダルチャンネルにはたらきかけることも書かれています。まんがの中で主人公がやっているように、お客様に画像を見せることで、よりイメージしてもらうのです。

またお客様に一目惚れしてもらうための技術や、ドリームキラーと戦う技術なども紹介されています。

新規開拓営業のための技術

営業には得意先をまわるルート営業と新規顧客を開拓する一般営業に分けられます。

それぞれ大変なことはありますが、一般営業のほうが大変だと言われることが多いでしょう。

ルート営業はなじみのお客様を相手にするのに対して、一般営業は初めて会うお客様を相手にするのが普通ですし、商品やサービスの購入を断られる可能性が高いからです。

新規開拓をする一般営業のための技術を苫米地さんは提示します。

1つは抽象度を上げることです。新規開拓営業は常にアウェイで戦う必要があります。これを抽象度を上げ、ホームで戦うように変えるのです。

また、モチベーションを保つために高いゴールを設定することもすすめています。

まず、高い目標を設定します。そして「その目標を達成している未来」から逆算して、「現在あるべき自分」をリアルに想像します。これだけです。

たとえば、「1年後には全社内のトップ営業部員になる」と目標設定します。するとそこから逆算して「現在のあるべき自分」がある程度決まってくるはずです。「1年後に全社内でトップになるような人は、現在すでに支店のトップになっていなければならない」といったことです。

ここで、「自分は現在、すでに支店のトップ営業部員だ」と、できるだけリアルかつ詳細にイメージし、真面目に思い込んでください。すると無意識は、「あれ、でも実際には支店のトップじゃないじゃないか」と感じ、すぐに支店トップ営業部員になるような方向に動き出します。

いわば、無意識まで含めたマインド全体のモチベーションが、爆発的に高まった状態です。そして、意識的な努力や医師の力だけではなしとげられないようなことも、無意識の強い力が達成してくれるのです。 №523

これはコーチングを応用した技術です。

前にレビューを書いたポジティブ心理学の権威、マティーンセリグマンは『オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ)』の中でリスクの高い職業・・・新規開拓営業のような仕事で成功するには、物事を楽観的に解釈できる人のほうが有利だとありました。そのための方法として認知療法を応用した技術を上げています。

苫米地さんの場合は高い目標(ゴール)を掲げることで無意識を味方にして、モチベーションを上げる方法を説いています。手法はセリグマンと違いますが、高いゴールを持っている=楽観的であるともいえます。少なくとも未来に対して悲観的ではないでしょう。よって、同じ効果が期待できると思います。

まとめ

本書は営業の基本から応用、新規開拓にいたるまでかなり幅広い内容が書かれています。しかもまんがによってわかりやすく、記憶に残りやすいので大変オススメです。

情報量が多いので、このレビューでは営業に強く関係しような話題を取り上げましたが、一目惚れの技術やドリームキラーとの戦い方など必ずしも営業職についていなくても役に立つ技術もあります。

余談になりますが、本書のタイトルには『 (まんが苫米地式01)』とあります。これが01であるなら、第二弾第三弾もあるのでしょうか?楽しみです。

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