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自分で考えるために必要なものは!?『思考停止という病』

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思考停止という病

日本人の思考停止をテーマに書かれた本です。思考の定義から始まって、なぜ思考停止するかの考察、最後に具体的な対策など一通りのことが書かれています。自分が思考停止しているのではないかと思っている人や(それに気づいているなら大丈夫だと思いますが・・・)、どのように思考していったらよいかわからない人にオススメです。

冒頭で苫米地さんは、思考停止に陥ってる日本の産業の具体例として出版業界をあげます。出版業界は全体の売上が下がっていて、本屋自体も減ってるのはよく言われています。要因はいろいろありますが、電子書籍やネット書店などの新しい動きに対して、これといって対策を打てなかったのも1つでしょう。これは再販制度など、文化活動の一環として優遇されているのと無関係ではないと思います。苫米地さんは出版業界で広告宣伝費がないことを上げています。

出版業界の問題点は、よく言われていることですが、それを大手出版社であるKADOGAWAの本に書くとは・・・さすがとしか言いようがありません。作家以外にも収入の道がある苫米地さんのような人しかできない芸当だと思います。

思考とは?

問題を検討する前に、言葉を正確に定義しなければなりません。思考停止の前に、思考とはどういう意味でしょうか?

苫米地さんは『物理的な脳の活動』と『創造的な問題解決活動』という2つのレベルがあるといいます。

『物理的な思考』というのは、止まることがありません。これは瞑想をやると実感としてわかるのですが、思考を止めようと思っても、脳にはさまざまなことが勝手に思い浮かびます。また、なにか嫌なことがあったときにうまく気分を切り替えられないということもあるでしょう。思考は意識的にする場合もありますが、無意識にすることのほうが多いのです。その証拠に脳は寝ているときもボーッとしている時もカロリーを消費しています。

本書であげられているのは『創造的思考』のほうで、問題を解決するためのクリエイティブな思考のことです。具体的には以下の手順を脳内で行うことを言っています。

1分析する → 2意志決定する → 3問題解決する(最適解を見つける) → 4仮説をつくる

これらができるようになると、生産性が高まる、意志決定のスピードが上がる、論理的な分析が速く正確になるなどのメリットがあります。どれも現在の日本で求められていることだと思います。

なぜ思考停止するのか?

では思考停止してしまう理由はなんでしょうか?

苫米地さんは以下の3つを理由として上げています。

前例主義

前例主義といっても、司法の世界での判例主義ではなくて、ビジネスの世界での話です。

冒頭で出てきた出版業界などは具体例にふわさしいと思います。永遠に通用するビジネスモデルなど存在しません。進化論ではないですが、社会情勢や環境に合わせて変わっていくことが、生き残っていくためには必要です。それには関わらず、古い仕事の方法にこだわってやり方を変えなくては、淘汰されてしまいます。苫米地さんは日本文化に根付いている儒教の影響も理由のひとつだといいます。例えば論語において孔子は周王朝時代の儀式に執着します。儒教に変化を良しとしない風潮があるのは否定できません。

知識不足

これが思考停止の主な原因だと言います。それも『絶対的な量の不足』だというのです。

知らないことは脳が認識できないからです。知識がなくては苫米地さんが言うスコトーマがかかってしまって問題を認識できないといいます。

例えば、今”スコトーマ”と書きましたが、これは一般的な用語ではないでしょう。苫米地さんの本、特にコーチング関係の本を読んだり、動画を見たり、本人に会ったことがある人ならば、難なく認識できますが、苫米地さんの世界にはじめて触れる人は意味がわからないし、認識できないと思います。(スコトーマとは心理的な盲点のことです。詳しくは他の苫米地さんの本を読むことをオススメします)

問題を解決するには、問題の認識が第一歩ですが、そのためには圧倒的な知識が必要だということです。

ゴールがない

ゴールがないことも理由のひとつです。大半の人に仕事の上でのゴールはないのでしょうか?例えば出世するとか売上目標とかそういった目標はあると思いますが・・・しかし、ゴールというのも苫米地さんのコーチングの用語になります。一般的な意味の目標と似てはいますが、少し違うので注意が必要です。

コーチングでいう『ゴール』では自分でゴールを決めることと、現状の外にゴールを置くということが重要だといいます。

売上(利益)目標は自分で決めたことでしょうか?大半の人は他人から押しつけられていると思います。サラリーマンであれば上司が決めるのが普通でしょう。経営者も例外ではありません、取引先や銀行、株主などの利害関係の顔色はうかがわなければならないので。現状の外か?と言う問題も、売上を増やしたいと思うのは普通なので、現状の内側のことです。

出世するという目標にしても、サラリーマンとしては普通のことなので、現状の内側のことですし、周りのプレッシャーなど一切なく決めた目標だとは考えにくいです。

ゴールがなければ、現状を大きく変えようという動機はおきにくいと言えます。少なくとも、抽象的な問題解決法を考えることはないでしょう。

対処法

自分の頭で考える方法を、苫米地さんは本書の中でいくつか提示します。

1つ目は疑うことです。他人の言うことを鵜呑みにするのではなく、本当に正しいか自分で考えてみること。

”疑う”というのは科学的思考の基礎ですし、思想的自立の第一歩と思います。

2つ目はコーチングの理論を活用することです。本書でも簡単には触れていますが、コーチングについて知りたいのならば、他の本を読んだほうがいいと思います。

具体的には以下の2冊がオススメです。

苫米地入門には最適!? 『立ち読みしなさい!』
『立ち読みしなさい!』のレビューです。漫画形式で学べる苫米地入門書です。文章だけでなく、漫画だとわかりやすいというメリットがあります。
コーチング入門『「言葉」があなたの人生を決める』
『「言葉」があなたの人生を決める』のレビューです。本書はコーチングやアファメーションの入門書に最適だと思います。

読書の重要性

自分で考えるための方法の3つ目として、知識を増やすことです。理由のところにも書かれていますが、知識がないと考えることもできません。考えることの重要性はわかっても、知識の必要性は意外と見落としがちです。知識なしで考えるのを、料理に例えるとわかりやすいと思います。材料がなくては料理はできないでしょう。

そのために一番効率的なのは「読書」だと苫米地さんはいいます。脳機能の観点から言えば、講演などで人から直接話を聞くよりも、読書のほうが効果的だといいます。学生時代の勉強のように、無理矢理暗記させられるのではなく、自分の興味があること・・・もっというならば自分のゴールに関係ある本を読むことで知識を定着できるといいます。

そのあとオススメの読書法と論理的思考のトレーニング、睡眠のとりかたなど。

しかし、私がこの本を読んで一番印象に残ったのは『考えるために読書すること』でした。読書の重要性はよく言われますが、なぜ読書しなければならないのかはうまく説明できなかったからです。

また、ゴール設定のその先が書いてあるので、コーチングに興味がある人は、コーチング関連の本のあとに本書を読むことは有益ではないでしょうか。

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