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苫米地英人による宗教の作り方講座『宗教の秘密』

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宗教の秘密

苫米地英人と宗教

繰り返し書いていますが、苫米地さんほど宗教を語るに相応しい人材はいないと思います。

上智大学でキリスト教の教育を受け、オウム信者の脱洗脳を行い、天台宗の僧籍を取得、チベット仏教の大阿闍梨の号を授与されています。さらに天台宗以外の仏教にも明るく、真言密教空海の思想を解説した本『空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば』まで書いているのです。

出家すればその宗派の教えを実践できますが、他宗派のことは表面的な知識しか学べないし、宗教学など学問として宗教を扱う場合は知識が優先されると思います。

知識としての宗教と、実践としての宗教を両方するのは難しいです。それを両方に明るい苫米地さんだからこそ、宗教について語ることができると思います。

だからといって苫米地さんの意見が正しいとは限りません。・・・しかし、聞いてみる価値はあるでしょう。

本書の内容

苫米地さんは『人はなぜ、宗教にハマるのか?』で宗教が人を惹きつける理由とその対策法を書いていました。

本書では歴史的な世界宗教の”キリスト教”と現在の世界宗教である”お金教”の歴史と仕組みを解説しています。キリスト教はともかく、お金まで宗教なのか?という疑問はもっともです。しかし苫米地さんはお金も他の宗教と同じ仕組みで動いているので、宗教の一種であるとうのです。

そして最後には『世界宗教を一週間でつくる方法』がテーマになります。苫米地さんが考える宗教を作る(しかも一週間でできる)方法が具体的に書かれています。

世界宗教に対して批判的な本書ですが、本書でいう『世界宗教』は権力側、もしくは権力者と結びついているものです。

苫米地さんは明治以前の日本に宗教は無かったという宗教学者の島田裕巳氏の意見に賛同しているので、(国家神道以外の)古来からの神道や仏教は対象になっていません。

宗教は言葉から

ユダヤ教では旧約聖書、キリスト教はそれに加えて新約聖書が用いられますが、いずれも聖書の中には神話が書かれています。独自の世界観を作り、それを多くの人に布教していくためには、言葉が必要なのです。

そしてその言語に臨場感を持つためには、『変性意識状態』になる必要だあるといいます。変性意識とは普通でない意識のことで、トランス状態もその一つ。変性意識状態に持っていくための手段として、教会や寺などの場所があり、聖歌やお経、瞑想などの修行や儀式があるのです。

もちろん、言葉が特別な力を持っているのは世界宗教だけではありません。日本では昔から言霊が宿るといいます。コーチングの祖ルータイスの著『アファメーション』ではまず言葉を変えることをすすめています。

宗教を信仰するというのは、その宗教が使っている言葉に束縛される『言語束縛』だと苫米地さんはいいます。そしてこの言語から開放されたとき、本当の宗教が見えるのです。

恐怖がカギ

言語と同時に重要なのが『恐怖』だと苫米地さんはいいます。あらゆる宗教は恐怖で信者を縛るからです。信じる者は救われる、地獄に落ちるなどは表現こそ違えども、どの宗教でも一般的に言われています。

恐怖というのは、人間の根幹に関わる感情です。いかに頭の良い人でも恐怖を感じれば心拍数があがり、視界は狭まり、複雑な思考ができなくなります。

苫米地さんは訓練すれば恐怖を消すことはできるといいます。実際に私たちは死の恐怖からは逃れられないわけですが、常にそれを意識しているわけではありません。しかし恐怖をうまくコントロールできない人は、簡単に宗教を信仰するというのです。

お金教も宗教?

お金についても宗教だと苫米地さんはいいます。『資本主義教』や『経済教』など言い方はいろいろありますが、いずれも同じ意味です。

お金もビジネスの成功談などの神話・・・言葉によってその価値を深めています。また、お金が今なければ恐怖を感じることもあるし、お金があったとしてもお金が無くなったらどうしようという貧困に対する恐怖は避けられません。

これではお金も構造的には宗教と変わりないというのです。そして現在の世界で一番影響力を持っているといえます。宗教に疎かったり、あるいは無神論者を自称していてもお金の影響を受けないことは難しいでしょう。

苫米地さんはお金教を必ずしも否定していません。すべてをお金に換えられるという、お金教の”救い”は働いた分だけ報われるとも言えるからです。しかし、純粋にお金=価値だったのは金本位制の時代までで、現在の変動相場制は中央銀行がお金の供給量を人為的に操作できるため、宗教としてはひどいものだといいます。詳細は他の苫米地さんの本(例えば日本人だけが知らない戦争論など)で繰り返し書かれていますが、通貨発行権を巡って争いが起き、大きな戦争になる場合があるからです。

現在の変動相場制の代替案としてGDP本位制を苫米地さんは提唱しています。これはGDPに比例してお金を増減させる方法になります。これによってお金=価値という本来の姿に戻すことが、お金教を健全な宗教へ戻すというのです。

世界宗教を一週間でつくる方法!?

そして本書の最後には世界宗教を一週間でつくる方法を苫米地さんが伝授してくれます。これは皮肉というよりは、宗教がいかにして作られるかによって、宗教を相対的に見ることを目的としています。

詳しくは本書を読んでほしいのですが、いくつか気になった点を上げていきます。

他人を教祖にする

あなた自身が教祖になるのではなく、他人を教祖に祭り上げたほうがいいそうです。自分で教祖になるということは、自分で考えた架空の教義や神話を教えることになります。つまり嘘を付く必要がありますが、それでは臨場感が足りないというのです。

あなたの考えた教義なり神話を他人に本気で信じてもらって、その人が教祖になればそこに嘘はありません。教祖の語る言葉の臨場感も高いはずです。

教祖になってもらう人は『被暗示性』の高い人が良いです。簡単に言えば催眠術に掛かりやすい人が向いています。本書には被暗示性が高い人を見極めるテストも載っています。こうして見込みのある人を数人選び、その中から教祖を指名し、教祖としての教育を施すわけです。

信者の獲得

宗教を作ったら、教団を作るため信者を獲得していきます。そのための方法論として、『病気を治す』ものがあります。そんなことが可能なのか疑問ですが、心が原因の場合は可能性はあるでしょう。また本当に難病であっても、数が多ければ・・・例えば100人患者がいれば何人かは助かることは考えられます。

ハイパーラポールの作り方

宗教を作る上で、一番重要だと思ったのがこのハイパーラポールの作り方です。

ラポールとは心理学用語で信頼関係のこと。ハイパーラポールはラポールの強力バージョンで、擬似的な親子レベルの信頼関係です(心理学用語でいえば転移でしょうか)苫米地さんが他書で紹介しているラポールの作り方として、眼球運動を使う心理療法である『EMDR』を応用した方法があります。『一瞬で相手をオトす洗脳術』が詳しいです。

本書には『驚愕法』と『ストックホルム症候群』を使った方法があります。

『驚愕法』とは相手を驚かせることで変性意識状態に持っていく催眠技術になります。『ストックホルム症候群』は犯罪被害者が犯人に対して好意を持つことです。スウェーデンのストックホルムで起きた人質事件が元になっています。

まず驚愕法を使い相手を変性意識状態にして、その上で恐怖を与えることによってハイパーラポールを築くわけです。この流れは、2006年に自称占い師の男が起こした『東大和市一夫多妻事件』とまったく同じだと苫米地さんはいいます。そして事件にそって具体的に解説していうので、大変説得力があります。

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