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苫米地英人式教育法!?『頭のよい子のしている28の習慣』

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頭のよい子の親がしている28の習慣~IQを高める天才思考~ (だいわ文庫)

 

苫米地さんによる教育論です。本書は2008年に東洋館出版社から出た『親子で使える天才思考 IQ200になる習慣』の文庫版になります。中身はほぼ同じだと言えるでしょう。

PX2との違い

苫米地さんの教育関係の本には『夢をかなえるPX2マスター』というものがあります。

未成年向けのコーチング『夢をかなえるPX2完全マスター』
『夢をかなえるPX2完全マスター』のレビューです。13~27歳を対象としたコーチングであるPX2。後半は苫米地さんの教育論になります。

『夢をかなえるPX2マスター』は前半後半に分かれており、前半を未成年向けの簡易コーチングであるPX2の概要、後半を苫米地さん独自の教育論。

本書は後半の苫米地さん独自の教育論を深く掘り下げた感じです。大まかな内容は同じですが、苫米地さん自身の体験なども踏まえてより詳しく書かれています。

そして、簡易コーチングであるPX2と苫米地式教育論の違いですが、コーチングのメソッドに沿ってやっていくのがPX2です。コーチングということは、スポーツや学業など何かしらの目標=ゴールがあって機能するものだと思います。

苫米地式のほうは子育て全般の広い範囲のことに適応する感じです。

ただし、完全に別ではありません。苫米地式にもコーチングの要素は入って、ゴールやエフィカシーなどのコーチング用語は出てきます(そのつど意味を説明してくれるので、本書だけで理解できると思います)

頭が良いとはどういうことか?

本書はタイトルに『頭がよい子』と入っているように、頭のよい子を育てるための方法論です。

では頭の良いとはどういうことでしょうか?苫米地さんはIQが高いと定義しています。IQというと、IQテストを思い浮かべるかもしれません。また頭が良いときくと、受験勉強を制して良い大学に行くというイメージもあると思います。

しかし、苫米地さんは抽象的思考という意味で使っているようです。

苫米地さんの言う”IQ”を上げることができれば、当然IQテストも受験勉強でも成果を残すことはできるが、それ以上のことができると言います。

抽象的思考と具体的思考の例として因数分解と微分方程式があります。

因数分解は中学で習いますが、微分方程式は文系だと高校でも習いません。それは微分方程式が因数分解よりも抽象的で、わかりにくいからです。

数学でIQが高いということは、より抽象的な問題を解く(もしくはそれを活用できる)ことを言います。

IQを上げない要素

どうやってIQを上げるか?の前に、IQを上げないもしくは下げてしまう要素があります。以下の3つです。

  • 受験勉強
  • ドリル
  • テレビ

受験勉強はより具体的な問題を解くことだから、受験勉強をしてもIQは上がらないと言います。因数分解は受験をする上でマスターする必要がありますが、微分方程式が受験に必要な大学は一部でしょう。

それに関連してドリルも意味が無いと苫米地さんは言います。ドリルに意味があるとしたら老化防止のみ。これは計算ドリル等をさしているのだと思います。また、一般的に数学者は自分で計算をしないというのも意外でした。たしかに計算量などが多すぎるため、今の時代であればコンピューターを使うのが理にかなっているでしょう。

テレビについては、他の苫米地さんの著書で言っている内容と同じです。テレビを見ても自分で考えることは少ないし、洗脳される可能性があることです。これではIQが上がるわけがありません。

IQを上げる要素

そしてIQを上げる要素について書いています。

基本的には抽象度を上げる訓練をいくつか紹介していて、詳しくは本書を読んで欲しいのですが、以外な要素としては運動とリラックスです。

学習する上で、運動が重要な要素だと言います。運動によってドーパミンが出て、モチベーションを高めたり、物事を学習するからです。特に子どもは知的活動でドーパミンが出にくいので、運動をする必要があるそうです。また、運動によってドーパミンを出すことが、抽象度を上げる訓練の土台だと言います。やはり勉強だけしていても駄目でしょうか。

リラックスの重要性は苫米地さんの本でよく出てきますが、本書にも出てきます。苫米地さん以外の教育関係の本で主張しているものはあまりないと思います。コンフォートゾーンを維持するためにはリラックスが重要で、そのために”逆腹式呼吸”というのがよく苫米地さんの本に出てきますが、本書ではもっと簡単な『息をゆっくりと吐きながら、力を抜いて体をゆるめる』という方法が提唱されています。

あとはIQを上げる読書のしかたも違っています。大人は多読をすすめていて、子どもには量ではなくて興味のある本を読んでもらう(読ませるではなく)ことを苫米地さんは繰り返し強調します。興味のない本を無理矢理読ませても意味がないでしょう。

苫米地英人の学歴

本書の具体的な方法論とセットで書いているのが、苫米地さん自身の学歴です。

中学生でアメリカに行き、英語を数週間でマスターしたこと。駒場東邦を受験したが、受験のための勉強をしたことはないこと。言語論に興味を持ち、上智大学に入学して、ディベートのために再びアメリカへ留学したことなど。

特に興味深かったのが、イェール大学とカーネギーメロン大学の比較です。苫米地さんはイェールに入ってから、カーネギーメロンに移ったわけですが、イェールはリベラルアーツ、カーネギーメロンは実学をそれぞれ重視するそうです。

両校の方針はまるで違いますが、苫米地さんは『どちらも正しい』と言います。理想は学部→リベラルアーツ、大学院→実学だそうです。

リベラルアーツとは何か?はよく議論になるテーマですが、苫米地さんの定義は数学、歴史、文学などの基礎学問のことです。実学との大きな違いは”金になるかならないか”だと言います。苫米地さんの話にたまに出て来ますが、カーネギーメロンはコンピューターサイエンスで有名ですが、同時に軍の予算で研究をしていると言います。軍事関係の研究というのは究極の実学ではないでしょうか。

本人はカーネギーメロンの話をよくするので、そちらのほうが思い入れが強いのだと思います。しかし、現在の苫米地さんが幅広い(政治、経済、認知科学、宗教など)ことに興味を持つのは、イェール大学で受けたリベラルアーツ教育の影響なのかもしれません。

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